
【日本昆虫研究所】地面を歩くゾウムシ界の異端児!ホジロアシナガゾウムシの驚異の生態とは?
ホジロアシナガゾウムシは、日本の野山や草地で見られる独特な外見を持ったゾウムシの一種です。名前にある「ホジロ(頬白)」と「アシナガ(足長)」が示すように、白い模様と長い脚が特徴的で、他のゾウムシとは一線を画したフォルムが魅力です。
基本情報

- 学名:Pseudocneorhinus bifasciatus
- 分類:甲虫目 ゾウムシ科
- 体長:約7?10mm
- 分布:本州、四国、九州など日本各地
- 見た目:黒褐色の体に白い鱗粉の模様。頬と脚に白い部分が目立つ。脚は比較的長く、体を持ち上げるようにして歩く姿が特徴的。
生息環境

ホジロアシナガゾウムシは、雑木林の縁や草地、道端の低木周辺など、やや乾燥した環境を好んで生息します。都市部の公園などでも見られ、比較的人間の生活圏に近い場所でも活動しています。
名前の由来と特徴
- 「ホジロ」=頬に白い鱗粉がついていることから
- 「アシナガ」=ゾウムシとしては脚が非常に長い点が特徴的
- 体色は黒っぽいが、体表を覆う白?灰色の鱗粉がまだら模様を形成し、独特なカモフラージュとなっています
行動と生態
- 昼行性で、日中に活発に活動します
- 成虫は植物の葉をかじって食べるが、被害は比較的小規模
- 飛ぶこともできるが、主に地面や低い植生の上を歩いて移動することが多い
- 草や小枝の上で見つかることもありますが、地表近くにいることが多い
繁殖と幼虫

- 初夏?夏にかけて繁殖し、産卵は土中や植物の根元付近に行うとされます
- 幼虫は地下で生活し、植物の根などを摂食して育つ
- 地中で蛹化し、翌年または同年中に羽化して地上に現れます
近年の話題と意外な一面
- 海外では、近縁のゾウムシが観葉植物の害虫として扱われる例もありますが、ホジロアシナガゾウムシは目立った農業被害は少ない
- 他のゾウムシと違って、擬死(死んだふり)をあまりせず、素早く歩いて逃げるという珍しい逃避行動をとることがあります
観察ポイント
- 晴れた日の午前中?昼にかけて、地面近くや草の上をよく観察すると発見しやすい
- 見つけた際は長い脚でゆっくり歩く姿や、独特な模様をじっくり観察してみましょう
- ゾウムシの中でもフォトジェニックな種として、昆虫写真の被写体としても人気
まとめ

ホジロアシナガゾウムシは、ゾウムシの仲間ながらも独自のスタイルを貫く興味深い存在です。地味ながらも美しく、他の昆虫にはない魅力を放つこの虫の姿を、ぜひフィールドで観察してみてください。
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