
【日本昆虫研究所】葉を食べる青い光!アオハムシダマシの生態と見分け方
アオハムシダマシ(青葉虫騙し)は、その名のとおり「ハムシに似た見た目を持つがハムシではない」昆虫で、キラリと光る青緑の金属光沢が特徴的です。草原や森林で植物の葉を食べながら生活するこの昆虫は、見た目の美しさと裏腹に、分類的にはちょっと意外なグループに属しています。
基本情報

- 学名:Colasposoma dauricum
- 分類:コウチュウ目 ハムシダマシ科(あるいはコブハムシ科に分類されることも)
- 体長:およそ6〜10mm
- 分布:本州、四国、九州を中心に日本各地
- 活動時期:主に5月〜9月(初夏から秋口まで)
名前の由来と分類的な特徴

- 「アオ」=美しい青緑の金属光沢を持つ体色
- 「ハムシ」=植物の葉を食べる点や形がハムシ類に似ている
- 「ダマシ」=分類上はハムシ科ではないため、「ハムシに似ているが別物」という意味を含む
つまり「ハムシっぽいけど、ハムシじゃない昆虫」という、ちょっと紛らわしい名前がついているのです。
外見的特徴

- 全身が金属光沢を帯びた青緑色で、光の当たり方によっては紫や青にも見える
- 楕円形の体型で、ハムシに似たコンパクトなフォルム
- 前胸背板は丸みを帯び、鞘翅(しょうし)は点刻が並んだような凹凸模様がある
非常に美しい昆虫で、観察者の目を引く存在感を持っています。
生態・行動
- 成虫は植物の葉を食べる食葉性昆虫
- 特にカラムシやヤナギ類などの広葉植物の葉を好んで摂食する
- 飛翔力もあり、光に誘われて灯火にも飛来することがあります
幼虫と生活環
- 幼虫の生態については未解明な点も多いですが、土中や植物の根元で生活していると考えられています
- 年に1〜2回発生し、初夏〜夏にかけて成虫が多く見られます
観察ポイント
- 森林の周辺や雑草の茂る河川敷、草地でよく見かけます
- 植物の葉にぽっかり穴が空いていたら、近くにアオハムシダマシがいる可能性大!
- 捕まえるとすぐに落下して死んだふり(擬死)をする習性もあります
ハムシとの違い
- ハムシはハムシ科に属するのに対し、アオハムシダマシは**ハムシダマシ科(コブハムシ科)**に分類されます
- 見た目は非常に似ているものの、脚や触角の構造などが異なるため、専門的には別グループです
- ハムシは農業害虫になる種も多いですが、アオハムシダマシは特定の被害はほとんど報告されていません
まとめ
アオハムシダマシは、鮮やかな色彩とユニークな名前、そして植物を食べる穏やかな生態で、昆虫好きには見逃せない存在です。ハムシとの違いや、美しい金属光沢をじっくり観察すれば、野外観察がもっと楽しくなるでしょう。
草むらや森の縁を歩くときには、ぜひ葉の上の青い小さな光を探してみてください!
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