
【日本昆虫研究所】カタオカハエトリの生態と魅力:小さなハンターの秘密に迫る
**カタオカハエトリ(片岡蠅捕り)**は、日本に生息するハエトリグモ科の一種で、名前に「カタオカ」とつく珍しい種です。ハエトリグモはその愛らしい見た目と素早い動きから人気があり、カタオカハエトリも例外ではありません。本記事ではその特徴、生態、観察ポイントなどを詳しく解説します。
基本情報

- 和名:カタオカハエトリ(片岡蠅捕)
- 分類:クモ目 ハエトリグモ科(Salticidae)
- 学名:Plexippus paykulli に近いが、分類は議論中(国内ではカタオカハエトリとして独立扱いされることも)
- 体長:約6~12mm(雌の方がやや大きめ)
- 分布:本州・四国・九州など広く分布
- 生息環境:民家の周辺、ベランダ、公園の柵や壁、林縁など、明るく開けた場所に多く見られる
カタオカハエトリの特徴
- 雄は黒と白のストライプが目立ち、非常に精悍な見た目をしている。
- 雌はやや地味な褐色ベースだが、しっかりした体つきで活動的。
- 体の中央に太い白帯があるのが特徴的で、名前の由来にもなっている。
- 前脚が太く、他のハエトリグモに比べてややがっしりして見える。
行動と生態

● ハンターとしての優れた視覚
ハエトリグモ科の最大の特徴は驚異的な視力です。カタオカハエトリも、前方の大きな単眼を駆使して獲物(小さな虫)を発見し、素早く近づいてジャンプして捕まえます。
● 巣を作らないクモ
ハエトリグモは網を張らず、徘徊型の捕食者として知られています。巣は作らず、日中に活発に動き回って獲物を探します。
● ジャンプと糸
高いジャンプ力を誇りますが、ジャンプの際には腹部から糸を伸ばして安全を確保します(命綱のような役割)。
観察ポイント

- 晴れた日中に壁や柵をじっくり観察すると、素早く動く姿が見られることがあります。
- 他のハエトリグモに比べてやや大型で堂々とした印象を持つため、比較的見つけやすい。
- 獲物に向かってじわじわと忍び寄る姿や、目を使って周囲を観察するしぐさなど、非常に見応えがある昆虫です。
名前の由来

「カタオカハエトリ」という和名の「カタオカ」は、この種を発見・分類した研究者の名に由来するとされています。ハエトリグモの命名には人物の名前が使われることもあり、国内でも特異な名前の一つです。
類似種との違い
- マミジロハエトリ(Plexippus paykulli)に似ていますが、体の帯模様や体型、前脚の太さで見分けられます。
- よく似た種が多いため、正確な同定には拡大写真や専門的な知識が必要な場合もあります。
カタオカハエトリの魅力

- 小型ながらも強いハンターとしての性質を持ち、行動観察が面白い。
- 特に雄の白と黒の模様が美しく、観察・撮影に人気。
- 都市部でも比較的見られるため、入門者にも親しみやすい種です。
まとめ
カタオカハエトリは、都市の片隅や自然の中でたくましく生きる小さなハンター。ジャンプ力と高い視力を武器に、網を張らずに獲物を狙うその姿はまさに“野生の忍者”のようです。見つけたときにはぜひじっくり観察して、その愛嬌ある行動や美しい模様を楽しんでみてください。
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