コオロギ科未分類直翅目

草むらで跳ねる小さな黒い虫「クロヒバリモドキ」の生態と特徴とは?

【日本昆虫研究所】クロヒバリモドキとは?黒くて跳ねる謎の小型昆虫を徹底解説!


**クロヒバリモドキ(黒雲雀擬)**は、日本の草地や林縁などで見られる体長5〜10mm程度の小さな昆虫で、一見するとコオロギやバッタの幼虫のように見える直翅目(ちょくしもく)の一種です。名前に「ヒバリ」とあるものの鳥とは関係なく、かつて「ヒバリモドキ」と呼ばれたコオロギ類に似た姿をしていることからこの名前が付きました。


基本情報

  • 和名:クロヒバリモドキ(黒雲雀擬)
  • 学名:*Trigonidium spp.*など(詳細は種によって異なる)
  • 分類:直翅目 ヒバリモドキ科またはコオロギ科
  • 体長:5〜10mm程度
  • 出現時期:春〜秋(特に6月〜10月)
  • 生息場所:草地、林縁、河川敷、都市の緑地など

外見の特徴

  • 黒褐色または黒色の小さな体をしており、よく観察しないと見落としてしまうほど地味な色合い。
  • 長い触角があり、全身に対してかなり目立ちます。
  • 翅は小さく目立たないか、やや発達しているものの、ほとんど飛びません。
  • 後脚が発達していて、バッタのように跳ねて移動します。

行動と生態

■ 夜行性で物陰に潜む

日中は落ち葉の下や石の陰などに隠れて過ごし、夜になると活動を始めます。人が近づくと跳ねて逃げる素早い動きが特徴です。

■ 雑食性の傾向

植物片、小さな昆虫の死骸、地表の有機物などを摂取して生活しています。土壌生態系において小型の分解者的な役割を果たしています。

■ 小さな鳴き声を発することも

クロヒバリモドキの仲間のオスは、小さく「チチチ…」というようなかすかな鳴き声を発することがあります。ただし人間には聞き取りづらく、静かな夜でなければ気づきにくいです。


似ている昆虫との違い

名前違いのポイント
コオロギの幼虫体形が似ているが、コオロギの方が胴が太く、体表の毛が多い。
トビイロヒバリモドキよく似た種で、翅がやや長く、茶褐色っぽい体色。
クロバネキノコバエ小型で黒い昆虫だが、翅が発達していて飛翔力が高い。

観察のコツ

  • 雑木林の縁や草地、堤防沿いなどの草の茂った場所で探すと見つかりやすい。
  • 夜間にライトで照らすと跳ねる姿を見ることができる。
  • 地面近くを注意深く探し、触角や跳ね方に注目すると識別しやすい。

人との関わり

クロヒバリモドキは人間に対して害も益もほとんどなく、都市部の公園や草むらでもひっそりと暮らしています。特に注目される機会は少ないものの、生態系における小さな担い手として重要な存在です。


まとめ

クロヒバリモドキは、知る人ぞ知る小さな昆虫ですが、跳ねる姿や静かな鳴き声など、よく観察するととても魅力的です。夜の草むらでそっと耳をすませば、彼らの世界が少しだけ垣間見えるかもしれません。


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