セセリチョウ科チョウ目未分類

【日本昆虫研究所】コチャバネセセリの特徴と生態|都市部でも見られるセセリチョウの代表格


コチャバネセセリとは?

**コチャバネセセリ(小茶羽挵蝶)**は、チョウ目セセリチョウ科に属する小型のチョウで、翅を素早く開閉させる姿が特徴的です。日本全国に広く分布し、都市部の公園から里山、森林まで幅広い環境で見られる一般的な種です。

名前の通り、茶色みを帯びた前翅と、白い斑点が並ぶデザインが特徴で、スズメバチやハエと見間違えるほどの俊敏な飛び方をします。


特徴

  • 前翅長:約13〜17mm(開帳時は30mm前後)
  • 体色:茶褐色〜黒褐色
  • 模様:前翅に小さな白い点がいくつか並ぶ
  • 翅の形:比較的幅広く、後翅は丸みを帯びる
  • 飛翔の癖:直線的に素早く飛び、急に静止する
  • 翅の開閉:静止時に後翅は水平、前翅はやや斜め上に開く独特のポーズをとる

生態と行動

  • 活動時期:4月〜10月、特に6〜9月に多い(年2〜3回発生)
  • 生息場所:都市公園、河川敷、草原、林縁、農地周辺など多様な環境
  • 日中行動:昼行性で、晴れた日に活発に飛び回る
  • 吸蜜植物:シロツメクサ、アザミ、ヒメジョオンなど草本の花を好む
  • 縄張り性:オスは日当たりのよい葉上などでテリトリーを張り、他の虫を追い払う行動をとる

幼虫の特徴

  • 食草:主にイネ科植物(ススキ、チヂミザサ、メヒシバなど)
  • 生活環:葉を巻いて巣を作り、そこに潜んで成長する
  • 越冬形態:蛹または若齢幼虫で越冬する地域もある
  • 蛹化場所:葉の間に繭をつくって蛹化する

観察のポイント

  • 出会いやすさ:都市部でも高頻度で見られ、チョウ初心者にもおすすめ
  • 行動の観察:敏捷な飛翔の合間に葉上で静止するタイミングがシャッターチャンス
  • 静止時の姿勢:前翅を斜めに上げ、後翅は水平に構える「セセリポーズ」は同定の決め手

よく似た種との違い

種名違いのポイント
チャバネセセリ翅の斑点が少なく、白点が不明瞭なことが多い
イチモンジセセリ背中側に1本の白帯があり、やや大型
キマダラセセリ黄色味が強く、翅の模様が派手で判別しやすい

人との関係

  • 都市部での身近な昆虫:公園や庭などで頻繁に見られる
  • 農業への影響:大きな害はないが、イネ科雑草が多い場所では幼虫が密集することも
  • 環境指標種:農地周辺や都市緑地の生物多様性を示す存在とされる

基本情報

  • 和名:コチャバネセセリ
  • 学名Pseudoborbo hebraica(※または Pelopidas mathias とされる場合も)
  • 分類:チョウ目 セセリチョウ科
  • 体長:前翅長13〜17mm
  • 分布:本州・四国・九州・南西諸島
  • 活動期:4〜10月(年2〜3回発生)
  • 食草:イネ科植物(ススキ、チヂミザサなど)

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