
ヒメハマキとは?
**ヒメハマキ(姫葉巻蛾)**は、チョウ目ハマキガ科に属する小型のガの仲間で、その名の通り、幼虫が植物の葉を巻いて住処にする特徴から「葉巻蛾」と呼ばれています。日本全国に分布し、庭木や雑草などにも出現するため、比較的よく見かける種です。
体長は小さく、翅には茶系や灰色系の地味な模様があり、見落とされがちですが、葉を巻く独特の習性や繊細な模様に注目すると、非常に興味深い昆虫です。
特徴

- 体長:約6〜10mm程度
- 翅の色:茶色、灰色、黄色が混じった地味な色合い
- 翅の模様:種によって変化するが、斑紋や横縞があるものが多い
- 飛び方:直線的で素早く、物陰に潜るような習性
- 静止時の姿勢:翅を屋根型にたたみ、三角形の姿になる
生態と行動
- 活動時期:春から秋にかけて(4〜10月)、年に2〜3回発生する地域もある
- 生息環境:里山、公園、農地、庭先など広い環境に適応
- 夜行性:基本的に夜間に活動し、灯火にもよく飛来する
- 昼間の行動:葉裏や草むらで休息し、刺激があると素早く飛び立つ
幼虫の生態と影響
- 葉巻きの習性:自分の糸で葉を丸めて筒状にし、その内部で生活・成長する
- 食性:さまざまな植物の葉を食べる(例:サクラ、バラ、ウメ、柑橘類など)
- 農業との関係:中には果樹や野菜に被害を与える種もあり、防除対象となることがある
- 蛹化:葉巻きの内部やその近辺で蛹になることが多い
よく見られるヒメハマキの一例

種名 | 特徴 | 食草 |
---|---|---|
ウスグロヒメハマキ | 灰褐色の地に白い斑点が並ぶ | バラ、ウメ、カキなど |
キイロヒメハマキ | 黄色っぽい翅に茶色の模様 | サクラ、柑橘類など |
クロスジヒメハマキ | 黒い筋模様が入った翅 | ハギ、サクラ類など |
観察のポイント
- 灯火に注目:夜間、街灯や外灯に飛来する姿を見ることができる
- 葉巻き葉を探す:巻かれた葉を開くと中に幼虫や蛹がいることがある
- 模様の観察:種類によって翅の模様が異なるため、じっくり観察することで同定に繋がる
人との関係

- 身近な存在:家庭の庭先でも見られる昆虫で、観察対象としても親しまれている
- 農業との兼ね合い:果樹農家にとっては、果実の品質低下を招くことがあるため注意が必要
- 生態系の一部としての役割:天敵(寄生蜂や鳥など)との関係において、生態系の中でも重要な位置にある
基本情報
- 和名:ヒメハマキ
- 学名:複数種存在するため、種によって異なる(例:Adoxophyes spp.)
- 分類:チョウ目 ハマキガ科
- 体長:約6〜10mm
- 分布:日本全土
- 活動期:4〜10月(地域により差あり)
- 食草:サクラ、バラ、カキ、ハギ、柑橘類など多様
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