コウチュウ目コガネムシ科

【日本昆虫研究所】ヒメビロウドコガネの特徴と生態|光沢とふわふわの体毛をまとう小さな宝石


ヒメビロウドコガネとは?

ヒメビロウドコガネ(姫天鵞絨黄金虫)は、コウチュウ目コガネムシ科に属する小型の甲虫で、全身を覆うビロード状の短毛と、美しい金属光沢が特徴の昆虫です。名前の「ヒメ」はサイズが小さいこと、「ビロウド」は毛並みの質感、「コガネ」はその科名であるコガネムシに由来します。

日本各地の草原や林縁などで見られ、日中に花を訪れたり、葉上でゆっくりと動く姿は、自然観察の楽しみのひとつです。


特徴

  • 体長:5〜8mmほどの小型種
  • 体色:緑〜青緑、銅色などの金属光沢をもち、全身が短いビロード状の毛で覆われる
  • 体型:楕円形でやや扁平、背中は丸みを帯びる
  • :がっしりしており、前脚は地中での掘削にも向いている構造
  • 飛行能力:翅を広げて飛ぶが、活発に飛び回るというよりは花の間をのんびり移動する

生態と行動

  • 活動時期:4月〜8月ごろにかけて活動。地域によっては9月頃まで見られる
  • 食性:成虫は花粉や花の蜜、若い葉などを摂取
  • 幼虫の生活:土中で生活し、植物の根などを食べて成長。腐植質を含む土壌を好む
  • 成虫の行動:日中に活動し、葉や花の上でじっとしていることが多い。比較的おとなしい性格

生息環境

  • 主な場所:草地、林縁、道端、公園、畑の周囲など
  • 好む環境:日当たりがよく、低木や花が多く咲いている場所
  • 都市部でも見られる:雑草の生い茂る空き地などでも見つかることがある

観察のポイント

  • 晴れた日の午前中〜昼過ぎ:特に活動が活発になる時間帯
  • 花の上をチェック:タンポポやシロツメクサ、キク科の花に集まることが多い
  • 拡大観察が楽しい:マクロレンズで撮影すると、ビロードのような体毛と金属光沢がはっきり確認できる
  • ゆっくり動く性質:すぐに逃げないため、初心者でも観察や撮影がしやすい

類似種との違い

種名特徴違いのポイント
ビロウドコガネ体長が大きめ(10mm前後)で体色がやや濃い本種はより小型で華奢
アオドウガネ金属光沢は似ているが、毛がなく滑らかな表皮ヒメビロウドコガネは全身に細かい毛がある
コフキコガネ灰褐色で粉をふいたような体表毛の質感が異なり、光沢もない

人との関係

  • 無害な昆虫:人に噛みつくことも刺すこともなく、観察対象として最適
  • 花の訪問者:花の受粉にわずかに貢献している可能性もある
  • ガーデニングとの関係:多発すると葉をかじることがあるが、被害はごく軽微で無視できるレベル
  • 観察教育に最適:見た目の美しさと動きの穏やかさから、子ども向けの昆虫観察にも適している

基本情報

  • 和名:ヒメビロウドコガネ
  • 学名Maladera orientalis など、複数種が該当
  • 分類:コウチュウ目 コガネムシ科
  • 体長:約5〜8mm
  • 分布:日本全国(平地〜低山)
  • 活動期:4〜9月ごろ
  • 生息地:草地、林縁、公園、花畑など

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