
ヨツボシコメツキとは?
**ヨツボシコメツキ(四星米搗)**は、コメツキムシ科(Elateridae)に属する甲虫で、日本全国の森林や草地で見られる中型のコメツキムシです。名前の通り、前翅の背中部分に左右対称の4つの明瞭な黄白色の斑点(星)があるのが最大の特徴で、他のコメツキムシ類と容易に識別できます。
森林の縁や伐採地、草地など日当たりの良い場所に現れ、花や葉の上に静止している様子をよく観察できます。
特徴
- 体長:約12〜17mm
- 体色:黒褐色〜黒色で、前翅に黄白色の斑点が4つ
- 体形:やや扁平で細長く、全体的にややマットな質感
- 翅の模様:左右の前翅に各2つずつ、計4つの明瞭な星形斑点
- 触角:櫛状でやや長く、11節
- 脚:短めでがっしりしており、歩行に適している
これらの斑点模様は非常に目立ち、特に葉上で静止していると、コントラストの強さからすぐに発見できます。
生態と行動

- 生息環境:雑木林、落葉広葉樹林、草地、伐採地、林道沿いなど
- 活動時期:4月〜8月に多く見られ、特に5月〜6月が最盛期
- 日中行動:昼行性で、花や葉上で静止したり、飛翔して移動したりする
- 飛翔力:よく飛び、移動能力も高い
- ジャンプ行動:背中を地面につけてひっくり返った際には、他のコメツキ類と同様「カチッ」と音を立てて跳ね上がる特有の動作を見せる
- 幼虫期:土中で生活し、植物の根や有機物を食べるとされる
名前の由来
- ヨツボシ:左右の翅に2つずつ、合計4つの斑点(星)を持つことから
- コメツキ:米搗き(こめつき)動作のように跳ね上がる特徴的な行動が語源
観察のポイント

- よく見られる場所:日当たりの良い山道や草原、林縁部の低木上
- 行動:比較的じっとしていることが多く、斑点のある翅が目立つ
- 採集難易度:中程度。花上や葉上で動かずにいることが多いため、見つければ捕まえやすい
- 観察おすすめ時期:5〜6月の晴れた日中が狙い目
似た種との違い
種名 | 違いのポイント |
---|---|
フタホシコメツキ | 前翅の斑点が2つのみ。全体に小型で丸みが強い |
アカハネムシ類 | 体色が赤く、体表が滑らかで翅に斑点がない |
ナナホシコメツキ | 名の通り斑点が7つある別種で、模様の配置が異なる |
ヨツボシコメツキはその斑点模様によって明確に識別でき、初心者でも安心して観察・撮影できる対象です。
人との関係
- 害虫か?:基本的には無害。幼虫が植物の根を食べることもあるが被害は極小
- 益虫か?:明確な益虫ではないが、土壌の分解系を担う一因となる
- 飼育:飼育は可能だが、成虫の寿命は短いため観察向け。人工環境下での繁殖は難しい
基本情報
- 和名:ヨツボシコメツキ
- 学名:Ampedus quadrisignatus
- 分類:コウチュウ目 コメツキムシ科
- 体長:約12〜17mm
- 分布:本州、四国、九州
- 活動期:4月〜8月
- 食性(成虫):花粉や樹液、葉など
- 生態特性:昼行性、よく飛翔する、地表で跳ね上がる特性あり
タグ(コンマ区切り)
ヨツボシコメツキ,日本昆虫研究所,コメツキムシ,甲虫,跳ねる昆虫,斑点模様の昆虫,森林の昆虫,昼行性の甲虫,春の昆虫観察,虫好き必見,昆虫観察,森林散策
コメント