クモ目サラグモ科

【日本昆虫研究所】シロブチサラグモの特徴と生態|白い斑点を持つ繊細な糸の名手


シロブチサラグモとは?

シロブチサラグモは、クモ目サラグモ科に属する小型のクモの一種で、日本に分布するサラグモの中でも特徴的な体色を持ちます。体に白い斑点模様を散らした外見が名前の由来となっており、極細の糸で繊細な水平網を作ることで知られています。

「サラグモ(皿蜘蛛)」の名の通り、地面や低い植物の間に皿のように水平な網を張り、その下に身を潜める習性があり、日陰や林床など湿った環境を好みます。


特徴

  • 体長:雌で約4〜5mm、雄はやや小型
  • 体色:黒褐色の地に白い斑点が点在
  • :細長く、体に比べて非常に長い
  • 網の形状:皿状の水平網を作るのが特徴(地面〜低木の間)
  • 動き:俊敏ではないが、網に身を潜めて忍耐強く獲物を待つ

生息環境と分布

  • 生息場所:林床、雑木林、草地の縁、落ち葉の積もった場所、石の裏など
  • 環境の好み:湿気のある薄暗い環境を好む
  • 分布:本州、四国、九州を中心に分布(北海道でも記録あり)

生態と行動

  • 活動時期:主に春〜秋(4〜10月)に活動。温暖な地域では冬も見られる
  • 食性:昆虫など小さな節足動物を捕食。水平網に落ちた獲物を下から捕える
  • 繁殖:夏〜初秋にかけて交尾。雌は白い繭で卵を守る
  • 成長過程:幼体は小さな網を張って単独生活し、脱皮を重ねて成熟する

シロブチサラグモの観察ポイント

  • 網の見つけ方:朝露や逆光の中で、皿状の水平網がキラリと光ることがある
  • クモ本体の位置:網の真下に逆さまの姿勢で潜んでいることが多い
  • 白斑模様:拡大鏡やマクロレンズで観察すると、白いドット模様が確認できる
  • 静かに観察:網に振動を与えると逃げてしまうため、接近は慎重に

他のサラグモとの違い

種名特徴体色網の違い
シロブチサラグモ白い斑点があり、比較的明瞭な模様黒〜褐色に白斑水平網の下に潜む
クロサラグモ全体が黒っぽく模様が少ない黒〜濃褐色より薄い網を張る傾向
ホシサラグモ星状の白い点が散る茶褐色に細かい白点葉の裏などにも網を張る

人との関係と重要性

  • 無害なクモ:人に危害を加えることはなく、むしろ害虫の捕食者として益虫的な存在
  • 自然観察の対象:林床を歩く際に網を見つけると、サラグモの静かな生態を垣間見ることができる
  • 網の美しさ:朝露や湿気の多い日の網は、まるで小さなアートのように光を反射する

基本情報

  • 和名:シロブチサラグモ
  • 学名:未詳(属は Linyphiidae に属す可能性が高い)
  • 分類:クモ目 サラグモ科
  • 体長:約4〜5mm
  • 分布:日本全土(特に温帯域)
  • 活動期:4〜10月
  • 生息地:林床、草むら、石の下など湿潤な場所

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